digireka!では、デジタルマーケティング領域専門の転職支援を実施しています。年2,000名以上の求職者様のご支援に携わっていますが、ネット広告代理店の中でも業界内外の方から人気の企業と言えば、サイバーエージェントです。同社の勢いはとどまることを知らず、今や広告代理店の売上高ランキングではADKを抜いて国内第三位、時価総額では博報堂を超えるほどの企業になりました。今日は、本日公開されたサイバーエージェントの2018年通期決算資料を読み解き、同社の業績についてまとめまていければと思います。
2018年通期決算概要
サイバーエージェントが本日公開した2018年通期決算資料から抜粋しています。
2017年度に引き続き昨対比10%超えで売り上げを伸長させています。
昨年の通期決算資料で2018年の売上見込みを4200億円と発表していましたが、まさにその通り、ほとんど昨年の見通し通りに推移しています。
ゲーム事業に関しては、積極的な広告宣伝により昨対比減益を示していますが、売上ベースでみると、全ての事業領域で昨対比増となっています。
営業利益観点で見ても、一般的に低利益構造で知られるネット広告ビジネスにおいて、営業利益率7%は非常に優秀で素晴らしい数字です。
注目のAbemaTVですが、投資額は昨年と殆ど変わらず、昨対比ベースで大きく売り上げ・WAUを伸長させています。
ほぼほぼ、藤田社長の思惑通りに進んでおり、既存事業・投資育成対象事業ともに、非常に好調とみて間違いないでしょう。

引用ならびに参照:)株式会社サイバーエージェント「2018年9月期通期 決算説明会資料」
ここから、各事業セグメント毎にみていきましょう。
インターネット広告事業
国内ナンバーワンシェアを誇るサイバーエージェントのインターネット広告事業ですが、引き続きネット広告の市場成長率を大きく超える勢いで成長を続けています。
同社が昨年の決算で掲げていたブランディング領域におけるナショナルクライアントの開拓が順調に進んでいることが垣間見れます。
子会社体制を見ても、スマホ・アプリ・動画・クリエイティブへの投資を積極的に実施していることが良く分かります。
また、スマートフォン広告の売上比率が81%と、スマホ黎明期に同社が推進したスマホシフトがいかに「今」成果をあげているのかがよく分かります。
同社の戦略は、現在ならびに近い将来のインターネット広告におけるトレンドを表しているようなものなので、要注目すべきです。


引用ならびに参照:)株式会社サイバーエージェント「2018年9月期通期 決算説明会資料」
ゲーム事業
唯一減益を示したゲーム事業ですが、売上高ベースでみると引き続き好調です。やはり同社のゲーム事業で凄いのは、定期的にヒットタイトルを生み出せるところにあると感じます。今回も、昨年7タイトルであった主力群のラインナップに、「ドラガリアロスト」が加わり、計8つの主力サービスへと増強を果たしています。積極的な広告宣伝費に伴い一時的な減益を示しているという理解です。2018年冬~2019年にかけてオリジナルIP群のリリース予定もあり、引き続き順調にヒットタイトルを生み、同社を支える主力事業としてAbemaTVへの投資に対する屋台骨となるでしょう。


引用ならびに参照:)株式会社サイバーエージェント「2018年9月期通期 決算説明会資料」
メディア事業
注目のメディア事業ですが、AbemaTVは順調にユーザー数を伸長させています。この1年で2,200万ユーザー→3,400万ユーザーまで数字を伸ばしています。AbemaTV開局当時、男性比率が高く、女性は全体の3割程度でしたが、恋愛リアリティショーなどを拡充させたことで、今回の決算においては、男性51:女性49と、課題であった女性ユーザーの獲得も順調です。売上高も19億円→63億円と大幅に向上しており、今回の決算直前には電通・博報堂DYメディアパートナーズとの資本業務提携を発表しています。今迄も両社ともにAbemaTVの広告枠販売を担っていましたが、今回の資本業務提携により、一層のAbemaTV広告枠拡販強化、ならびにコンテンツの強化を図ります。このように、AbemaTVは徐々にマスメディア化への土台が仕上がりつつあります。
加えて、マッチングサービス「タップル誕生」の会員数が400万人を突破し、国内最大規模まで成長しています。このままいけば、国内最大手のPairsを超える日も近いのではないでしょうか。

引用ならびに参照:)株式会社サイバーエージェント「2018年9月期通期 決算説明会資料」
2019年業績見通し
同社は引き続き既存事業でAbemaTVへの積極投資を支え、ポンプアップでAbemaTVを大きく成長させる戦略を描いています。一見無謀ともいえるインターネットテレビ局の開局→マスメディア化がいよいよ現実味を帯びてきています。そして、AbemaTVが画期的で素晴らしいサービスであることは言わずもがなですが、変化の激しいインターネット広告市場において、国内トップシェアの座を長年にわたり圧倒的な成長速度で維持している広告事業本部も負けず劣らずで素晴らしい事業部です。

引用ならびに参照:)株式会社サイバーエージェント「2018年9月期通期 決算説明会資料」
まとめ
如何でしたでしょうか?今回の決算発表も日本を代表する会社として申し分ない内容でした。AbemaTVを有するサイバーエージェントは、今後日本のデジタルマーケティング業界の行く末を握っているといっても過言ではありません。こちらの記事で、「【Vol.3】デジタルマーケティング業界の歴史と現在、将来性についてまとめました」Amazon一局の未来について述べましたが、サイバーエージェントの躍進が、今後のデジタルマーケティング業界にどのような影響を及ぼすのか、要注目です。
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