digireka!では、デジタルマーケティング領域専門の転職支援を実施しています。ジーニーは、2017年12月に東証マザーズに上場を果たしたアドテクノロジーベンダーです。主力であるSSP以外にも、DSPやMAなど、様々なプロダクトの企画・開発・販売を行っています。今日は、ジーニーへの転職を検討している人向けに、同社の2019年3月期 第1四半期決算から、ジーニーの業績についてまとめました。
2019年3月期第1四半期決算概要
売上高・売上総利益共にYonYで順調に伸長しています。一方、その他営業利益・EBITDA等は、黒字を守りつつ大幅に減少しています。これは、人件費や技術開発に伴う先行投資費用が増加したことに起因します。通期業績予想に変更はなく、引き続き売上、総利益、EBITDAの3指標を安定的にYoY30%成長させることを目指すことを公表していることから、今期の投資コストは想定内であったのでしょう。

【ジーニーの売上高推移】
順調に、市場成長を上回るペースで成長を続けていることが分かります。

売上高構成

ジーニーの主たる事業領域は、
・GoogleProductsの代理販売/DSP/SSPの企画/開発を行うアド・プラットフォーム事業
・マーケティングオートメーション事業
・海外事業
の三つになります。
現状、GoogleProductsの代理販売、GenieeSSP、GenieeDSPの企画/開発を行うアド・プラットフォーム事業がジーニーの売上を支えていることが分かります。
各事業の状況
アド・プラットフォーム事業
アド・プラットフォーム事業においては、自社プロダクトであるDSP、SSPを引き続き拡販していくフェーズです。アドフラウド問題などで市場のムードが悪い中、大きくYonYで数字を伸ばしている点は素晴らしいです。先行投資の位置づけで人件費を計上していることから、営業力強化を図っていたものと考えられます。先行投資分に売上が追い付くかどうかが、通期の業績焦点になるでしょう。しかし、通常1Qは広告業界各社にとっては厳しいクオーターとなる中で、大きく増収を果たしている点から、通期でも期待が持てます。

マーケティングオートメーション事業
MAツールである「MAJIN」に加え、6月にはちきゅう株式会社より会社分割で承継したCRM/SFAである「ちきゅう」がラインナップに加わっています。まだまだ全体売上に対するインパクトは小さいものの、着実に増収を遂げています。

海外事業
海外事業は、YonYで微増です。現在ジーニーは、
・シンガポール
・ベトナム
・インドネシア
・タイ
の4各国に6拠点を有しています。飽和状態となっている国内アドテク市場ですが、東南アジア周辺は若年層人口増加が見込まれていることもあり、開拓の余地が大きく残っています。今後もアジア圏中心に積極的な海外展開ならびに売上拡大を目指していることと想定されます。

今後の戦略について
引き続き、アド・プラットフォーム事業における国内市場拡散を継続させつつも、MA×SFA/CRM、海外事業の成長により、収益構造を多角化していくことが想定されます。
ソフトバンクと連携してインバウンド(訪日外国人)や越境ECの集客を実現する広告配信サービスの提供開始するなど、既存事業のサービス拡充にも取り組んでいます。
現在市場に暗いムードが漂うアドテク業界において、いかに既存事業の成長を維持しつつ、収益構造を健全化できるかが今後の同社のカギとなるはずです。
まとめ
如何でしたでしょうか?アドテクノロジーベンダーとして後発組ながら成長を続けるジーニーですが、国内アドテク市場は現在、アドフラウド問題などによる社会的課題が大きく、アドテク一本のビジネスモデルでどこまで拡大していけるのかは正直読みづらいものです。市場成長に期待が持てるMA/CRM領域・海外市場において、後発組としていかに事業拡大していけるのか、今後に注目です。
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