digireka!では、デジタルマーケティング領域専門の転職支援を実施しています。先日、アプリ開発会社であるトライフォートの買収・子会社化を発表したユナイテッドですが、直近の業績はどのようになっているのでしょうか?今日は、先日発表された同社の2019年3月期 第2四半期決算を読み解きながら、同社の業績についてまとめていきたいと思います。
2019年3月期第2四半期決算概要
全体を通して売上高・営業利益ともにYonYで伸長しています。
ユナイテッドの事業領域は主に、
・アドテクノロジー領域
・ゲーム領域
・コンテンツ領域
・インベストメント領域
以上4領域となりますが、
インベストメント領域におけるメルカリ株の売却益が大きなインパクトをもたらしています。
同社は2017年3月期でアドテク領域に対する経営資源集中を目指し広告代理事業からの撤退を実施していますが、
未だアドテク領域に関しては若干伸び悩んでいる状況です。
とはいえ、コンテンツ・投資事業で収益分散、全体黒字化出来ている点はさすがと言えます。
収益の柱であるアドテク領域においては引き続き選考投資を進めており、新規プロダクト「ADeals」が収益貢献を開始するなど、
徐々に復調の兆しを見せつつあります。

売上収益構成

インベストメント事業の比重が一時的に大きくなっています。メルカリのIPO時は各所で話題となりましたが、売却益に伴うインパクトは非常に大きなものになっています。売却益を既存・新規事業に投資していくことを発表している同社ですが、これに伴い既存事業のアドテク・ゲーム・コンテンツ領域がいかにして売上拡大していけるかが肝になります。
各事業の状況
アドテクノロジー事業
通常1Qは広告業界全体で数字が落ち込みやすいのですが、今QにおいてはQonQベースで微増しています。
売上高総利益率は復調傾向で、先行投資を進めていた新規プロダクトの収益化が進んでいることが分かります。
ちなみに売上高総利益とは、売上高に対して粗利益が何%かを示す指標で、
営業利益との違いは、(少し雑な表現になりますが)
売上総利益率:商品力による利益
営業利益率:営業力による利益
ということになります。

今後は、プロダクトを継続的にリリースしていきながら、バーティカルに事業展開していくことで利益率の改善にも取り組んでいく計画です。

ゲーム事業
ゲーム事業は安定感がありますね。2Qで新作ゲームのリリースが控えていることに加え、トライフォースの子会社化に伴い、以降数字の伸長が期待できます。

今後は、
・オリジナルタイトルの開発(ハイリスクハイリターン型)に加え、
・他社保有の有名IPの共同開発・運営タイトル(ローリスクミドルリターン型)をポートフォリオに加える事で、ゲーム領域特有でもあるボラティリティを緩和していく方針です。

コンテンツ事業
オンラインスクール「TechAcademy」を運営するグループ会社、キラメックスの成長が全体を牽引し、QonQで大きく数字を伸長させています。
コンテンツ事業は、
・キラメックス「TechAcademy」運営
・Smarprise「ゲームプラットフォーム」運営
・アラン・プロダクツ「ヘアラボ」運営
・フォッグ「CHEERZ」運営
上記4社の子会社が事業運営元となっています。
先日アラン・プロダクツによる、国内最大級のCtoC占いサービス「MIROR(ミラー)」を運営するラップスの買収が発表されましたが、その他企業についても、新規サービスの拡充による事業ポートフォリオの転換を図っています。

インベストメント事業
インベストメント事業においては、1Qに計上したメルカリの売却益が大きなインパクトをもたらし、今期に関しては大きなトピックはありません。引き続き新規投資先の積極的開拓を進めていく計画です。

今後の戦略について
以上を踏まえた同社の今後の戦略ですが、メルカリの売却益を活用して各事業において先行投資を進めていくことになるでしょう。
活用できる資金が大幅に増加したことで、中長期的な戦略を基にした事業投資が可能となっています。
・M&Aの積極化
・新規事業創出の強化
・既存事業の成長加速
を打ち出し、各種取組みを順調に進捗させています。キャッシュリッチだからこそ出来得る拡大戦略です。
今後の同社の動きに、要注目です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?アドテク領域以外にも積極的な企業買収や新規事業展開により事業の多角化が進んでいます。
有望なスタートアップに対する投資・買収を可能としているのは経営陣のネットワークが大きいところかと思います。今後も引き続きデジタルマーケティング業界に留まらず、インターネット業界全体に大きな影響を及ぼしていくでしょう。ユナイテッド社への転職を検討されている方は、是非参考にしてみてください。
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